大学生とは

僕は1年間フランスのトゥーロンというところの大学に留学している。

日本とフランスの学生比較をしてみたいのだが、九月に授業が始まり、その頃は授業にはたくさんの人がいる。
11月に休暇があり、この頃から出席する人が減っていくのも、ゴールデンウィークをすぎると閑古鳥が鳴く日本の授業風景と同じである。

もっとも大きな違いは、前期、後期を通じて出席する学生とともに、『学生自体』が減少することである。

後期、テストの結果が張り出されたのだが、それをみてみると半数ほどの生徒がテストを受けていなかった。

これはバカロレアという資格試験をとれば誰でも、ほぼどこの大学にでも入れてしまうということもあり、どこか義務教育の延長のようになっていて学生であることの意識の低さに由来する現象だと思われるけれども、しかし学生生活を【モラトリアム】といって謳歌する日本の学生と、つまらなければさっさとやめてしまうフランスの学生と、この違いはなんなのでしょうかね。


話は変わって、日本と同じく、フランスは学歴社会である。

しかしこの学歴というやつが、日本の概念とは異なる。

フランスには私立大学がかなり少ない。

だから、ほとんど国立。授業の内容も、そう差がない。

そして大学に入るのは誰でも可能。

つまり、日本のように大学の格付けがなされておらず、大事なのはズバリ【免状】(どの学部を出たか、ということ)なのである。

これは大事なことである。つまり、学閥ができない(ここではグランゼコルの話は隅においておく)のだ。

日本の財界・政界ともに学閥の支配やその解体が問題視されて久しいが、それをなくすならばセンター試験によって大学への入り口のみ等しくしても始まらない。

大学を出たときに、どの大学を出ても同程度のレベルが学生にあるということが保障されることが必要だとおもう。

まあ、政財界の大物達が日本の学歴社会を許容していくのならばフランス型は肌に合わないだろうが。


画像はトゥーロン大学の道端にて。

【太田】